📋 この記事で分かること
  1. 特養(介護老人福祉施設)における生活機能向上連携加算の算定可否
  2. 算定要件と単位数
  3. 個別機能訓練加算の有無による計画書運用の違い
  4. 実務上おさえておきたい注意点

特養も算定できます

生活機能向上連携加算は、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)も算定対象です。地域密着型介護老人福祉施設(定員29名以下の小規模特養)も同様に対象となります。

2018年(平成30年)度の介護報酬改定で施設系サービスにも拡大され、2021年(令和3年)度の改定でICT活用による加算(Ⅰ)が新設されています。2024年(令和6年)度の改定では算定要件に変更はありませんでした。

出典:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」

単位数

区分単位数連携方法
生活機能向上連携加算(Ⅰ) 100単位/月 ICT活用(テレビ電話等)
生活機能向上連携加算(Ⅱ) 200単位/月 外部専門職の直接訪問

(Ⅱ)を算定している場合に(Ⅰ)を重ねて算定することはできません。

PTmateが支援しているのは生活機能向上連携加算(Ⅱ)です。
外部のリハビリ専門職が施設を直接訪問し、スタッフと共同してアセスメント・計画作成を行う形で算定要件を満たします。
出典:厚生労働省「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準」告示

算定要件

生活機能向上連携加算(Ⅰ)

外部の理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・医師から、ICT(テレビ電話・動画等)を活用した助言を受けられる体制を構築したうえで、以下を満たすことが必要です。

連携先は、訪問リハビリテーション事業所・通所リハビリテーション事業所・リハビリを実施している医療機関のいずれかに限られます。

生活機能向上連携加算(Ⅱ)

上記の連携先の専門職が施設を直接訪問し、施設の職員と共同して以下を行うことが必要です。

出典:厚生労働省「平成30年度介護報酬改定における各サービス毎の改定事項について」

特養特有の論点:計画書運用は個別機能訓練加算の有無で変わる

図解
個別機能訓練加算の有無で変わる、計画書の運用
あなたの施設はどちらのケース?
個別機能訓練加算あり
計画書はすでにある

既存の計画書の見直しタイミングに外部専門職が加わる形で運用可能。ゼロから作り直す必要はない。ただし見直し・修正は発生する。

個別機能訓練加算なし
計画書をゼロから作る

書類作成の手間が最初のハードルになりやすい。マンパワー不足で算定が止まるケースが多い。

PTmateのシステム
計画書作成の手間を大幅に削減

書類ハードルが下がれば、個別機能訓練加算の取得も視野に入る。

両加算の同時算定
生活機能向上連携加算+個別機能訓練加算

※同時算定の場合、生活機能向上連携加算(Ⅱ)は200単位→100単位になります。

出典:厚生労働省「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準」告示

個別機能訓練加算をすでに算定している場合

個別機能訓練加算を算定している施設には、すでに個別機能訓練計画書が存在します。この場合、生活機能向上連携加算のためにゼロから計画書を作り直す必要はなく、既存の計画書をベースに外部専門職が施設職員と共同で内容を見直す形で算定できます。

ただし「共同作成」である以上、外部専門職のアセスメントを踏まえて計画内容を更新する作業は発生します。「PT訪問だけで完結する」わけではなく、施設側も計画書の更新に関与する前提で体制を組む必要があります。

個別機能訓練加算を算定していない場合

個別機能訓練加算を取っていない施設や、加算の対象外となっている利用者については、計画書をゼロから作成することになります。この計画書作成の手間が、算定のハードルになりやすいポイントです。

計画書が「書類の壁」になっている施設は少なくありません。
外部専門職との連携先が確保できても、アセスメント結果を計画書の形に落とし込む作業が負担になって算定が止まるケースは実際に多い。PTmateが提供する独自システムは、この計画書作成の工数削減を一つの核として設計されています。

実務上の注意点

「Ⅱ」は専門職の施設訪問が必須です。
ICTを活用した動画確認のみのアセスメントでは(Ⅱ)の算定要件を満たしません。外部専門職と施設のスケジュール調整が実務の課題になりやすいため、定期的な訪問サイクルをあらかじめ取り決めておくことが重要です。

多職種での計画実施が求められます。加算(Ⅱ)では、計画の実施にあたって機能訓練指導員・看護職員・介護職員・生活相談員の協働が明記されています。外部専門職が計画を作るだけでなく、施設内で継続的に実施する体制が必要です。

連携先の要件を確認してください。連携先が医療機関の場合、200床未満の条件が適用されます。訪問・通所リハビリテーション事業所との連携であれば病床数の制限はありません。詳細は第1回記事を参照してください。

機能訓練指導員との役割整理が重要です。特養では機能訓練指導員が配置されていることが多いため、「外部専門職に何を担ってもらうか」を明確にしておくことが鍵になります。日常の訓練実施は機能訓練指導員が担い、定期的なアセスメントと計画の見直しに外部専門職が関与するという分担が、現場では取り組みやすいとされています。

まとめ

特養は生活機能向上連携加算の算定対象であり、ICTを活用する(Ⅰ)と外部専門職の訪問を伴う(Ⅱ)の2区分が選択できます。施設系サービスの特徴として、施設サービス計画や機能訓練指導員との連動が実務のカギになります。

外部専門職の定期的な訪問サイクルを設計し、施設内の多職種が計画を継続実施できる体制を整えることが、算定の継続につながります。

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参考資料
・厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」(令和6年1月22日)
・厚生労働省「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準」告示
・厚生労働省「平成30年度介護報酬改定における各サービス毎の改定事項について」
・厚生労働省「介護サービスにおける機能訓練の状況等に係る調査研究一式」(令和元年度)