- 個別機能訓練計画書の法令上の位置づけと必須記載項目
- 機能・活動・参加と訓練内容のつながりをどう書くか
- 生活機能向上連携加算を算定する場合の追加要件
- 現場でつまずきやすいポイント
個別機能訓練計画書とは何か
個別機能訓練計画書は、個別機能訓練加算および生活機能向上連携加算を算定する際に必要となる書類です。利用者一人ひとりの生活状況・身体機能・本人の意向をもとに、訓練の目標・内容・頻度・実施体制を記録します。
厚生労働省が様式例(別紙様式3-3)を公開しており、基本的にはこの書式をもとに作成します。作成者の職種に制限はなく、機能訓練指導員以外の介護職員や生活相談員が作成することも認められています。
必須記載項目
厚生労働省の様式(別紙様式3-3)をもとに、必要な記載項目を整理すると以下のとおりです。
| 区分 | 主な記載内容 |
|---|---|
| 基本情報 | 氏名・要介護度・日常生活自立度・作成日・前回作成日 |
| 利用者の状況 | 本人・家族の希望、社会参加の状況、居宅の環境、健康状態・治療経過 |
| 目標 | 長期目標・短期目標(機能・活動・参加の各層で設定) |
| 訓練内容 | プログラム内容・頻度・実施時間・実施者 |
| 実施後の評価 | 3ヶ月に1回以上の評価・見直し、利用者・家族への説明と同意の記録 |
目標と訓練のつながりをどう書くか
項目を埋めること自体は難しくありません。現場で難しいと感じやすいのは、機能・活動・参加の各層の目標と、具体的な訓練内容の論理的なつながりを書くことです。
「週1回、近所の商店まで買い物に行く」
「500m程度の歩行を一人で行える」
「下肢筋力の維持・向上」
「下肢筋力トレーニング・歩行訓練 週3回・各20分」
このように、訓練内容が機能目標→活動目標→参加目標へと積み上がる筋道が計画書の中で読み取れる状態が求められます。
一方で「筋力向上を図る→筋力トレーニングを実施する」という書き方では、この訓練が利用者の生活にどうつながるかが見えません。計画書としての意味が薄くなる可能性があります。
機能・活動・参加と訓練のつながりを一貫して書くには、生活課題のアセスメントとそれを目標に落とし込む視点が必要になります。リハビリ専門職がいない環境では、何をどう書けばいいかイメージしにくい部分でもあります。
PTmateのシステムは、250事業所以上の支援実績をもとに開発したアルゴリズムで、アセスメント結果から目標と訓練プログラムをレコメンドします。計画書作成の手がかりとして機能する設計になっています。
生活機能向上連携加算を算定する場合の追加要件
生活機能向上連携加算(Ⅱ)を算定する場合、個別機能訓練計画書の作成に関して通常の要件に加えて以下が求められます。
出典:厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」
現場でつまずきやすいポイント
生活機能向上連携加算の運用を始めた施設が直面しやすい課題として、次の2点がよく挙げられます。
① 連携先の確保
算定要件を満たす外部リハビリ専門職との連携先を自力で見つけることが難しいと感じる施設は少なくありません。要件を満たす連携先(訪問・通所リハビリ事業所、または200床未満の医療機関)を探すことが最初のハードルになりやすいと言われています。
② 訪問以外の月の関わり
外部専門職が訪問する月はアセスメントと計画の見直しが進みますが、訪問がない月に専門職との関わりが途切れがちになるケースも想定されます。計画が形式的に維持されるだけで、日常のケアへの反映が進まなくなることがあります。
まとめ
個別機能訓練計画書は、必須項目を満たすこと自体よりも、機能・活動・参加と訓練内容のつながりを一貫して記述することが実務上の難所です。リハビリ専門職の視点が入ると、この部分が整理されることが多いと言われています。
生活機能向上連携加算を算定する場合は、外部専門職との共同作成の記録が追加で必要になります。運用開始後は連携の継続性が課題になりやすい点も、事前に把握しておくと準備が進めやすくなります。
・厚生労働省「別紙様式3-3(個別機能訓練計画書)」
・厚生労働省「令和6年度介護報酬改定における改定事項について」(令和6年1月22日)