生活機能向上連携加算Ⅱを検討する事業所からよく聞かれるのが、「すでに個別機能訓練加算を算定しているが、生活機能向上連携加算も取り組めるのか」という疑問です。結論として、個別機能訓練加算を算定している場合は加算Ⅱ(100単位)を算定する形で取り組めます。むしろ個別機能訓練加算を算定している事業所ほど、生活機能向上連携加算Ⅱには取り組みやすくなります。
この記事では、両加算の併用の可否と、個別機能訓練加算がすでにある事業所で連携加算が活きる理由を、厚生労働省の告示・通知をもとに整理します。
併用の可否を整理する
まず前提として、生活機能向上連携加算は加算Ⅰと加算Ⅱのいずれか一方のみを算定するもので、ⅠとⅡを同月に併算定することはできません。そのうえで、個別機能訓練加算を算定しているかどうかによって、算定できる区分と単位数が次のように整理されます。
| 個別機能訓練加算の算定 | 算定できる連携加算 |
|---|---|
| 算定していない | 加算Ⅰ(100単位)または加算Ⅱ(200単位)のいずれか |
| 算定している | 加算Ⅱ(100単位)※加算Ⅰは算定しない |
個別機能訓練加算を算定している場合、生活機能向上連携加算は加算Ⅰを算定せず、加算Ⅱを1月につき100単位として算定する扱いになっています。つまり、個別機能訓練加算を算定している事業所が生活機能向上連携加算を取り組む場合は、加算Ⅱ(100単位)を算定する形になります。個別機能訓練加算を算定していない場合の加算Ⅱは200単位です。
個別機能訓練加算がある事業所ほど、連携加算が活きる理由
個別機能訓練加算を算定している事業所では、すでに機能訓練指導員が利用者の生活機能や身体機能を評価し、個別機能訓練計画書を作成・運用しています。生活機能向上連携加算Ⅱは、この既存の評価・計画の枠組みに、外部リハビリ専門職の視点を加える仕組みです。
つまり、評価と計画書という「器」がすでに整っているため、連携加算をゼロから構築する必要がありません。外部リハビリ専門職の評価を既存の流れに組み込むことで、無理なく算定につなげられます。
FLOW
個別機能訓練加算がある場合の連携加算の流れ
両加算で、評価の質が相互に高まる
個別機能訓練加算は、機能訓練指導員が中心となって評価・計画を行います。ここに外部リハビリ専門職の視点が加わることで、評価の幅が広がります。日常的に利用者を見ている現場の視点と、外部の専門職の視点が組み合わさることで、計画の精度が高まることが期待されます。
外部の評価が入ることは、連携加算の算定要件を満たすだけでなく、個別機能訓練計画そのものの内容を見直す機会にもなります。
加算Ⅰは、外部リハビリ専門職がサービス提供場面やICT(動画・テレビ電話等)を通じて利用者の状態を把握し、助言を行う形です。加算Ⅱは、外部リハビリ専門職が事業所を実際に訪問し、機能訓練指導員等と共同で身体状況等を評価して計画を作成する形です。両者の主な違いは、外部リハビリ専門職による事業所への訪問の有無にあります。併用設計を検討する際は、訪問を伴う加算Ⅱを前提に整理します。
なお、留意事項通知では、個別機能訓練加算を算定している場合は、生活機能向上連携加算のために別途、個別機能訓練計画を作成する必要はないとされています。既存の個別機能訓練計画を活用できるため、書類作成の重複を避けられます。
評価から計画まで、一連で設計する
個別機能訓練加算と生活機能向上連携加算Ⅱを併用する場合、評価・計画作成・記録という一連の流れを整理して運用することが、現場の負担軽減につながります。両加算の書類を別々に管理するのではなく、一連のものとして扱うことで、業務の重複を減らせます。
この記事のポイント
- 生活機能向上連携加算はⅠとⅡのいずれか一方のみを算定する(ⅠとⅡの併算定は不可)
- 個別機能訓練加算を算定している場合は、加算Ⅰは算定せず、加算Ⅱを100単位で算定する
- 個別機能訓練加算を算定していない場合の加算Ⅱは200単位
- 個別機能訓練加算がある事業所は、評価と計画の枠組みが整っており連携加算に取り組みやすい
- 個別機能訓練加算の算定時は、連携加算のために別途計画書を作成する必要はない
