📋 この記事でわかること

  • 制度上、連携先として認められる機関・認められない機関
  • 制度上適格でも、質にばらつきが生じる理由
  • 連携先を選ぶための3つの軸
  • 常勤雇用・非常勤・個別契約・PTmateの向き不向き

生活機能向上連携加算Ⅱを算定するには、外部のリハビリ専門職との連携が必須です。「近くの病院に頼めばいい」「知り合いの理学療法士に声をかければいい」と考えている事業所も多いですが、制度上の制約実務上の質のばらつきという2つの問題があります。

この記事では、連携先の選び方を制度・実務・コストの3つの軸で整理し、各選択肢の向き不向きを比較します。

まず確認:制度上の連携先要件

生活機能向上連携加算Ⅱにおける外部リハビリ専門職との連携は、連携先として認められる機関・人員が制度上定められています。

⚠️ 病院・診療所であれば何でもよいわけではありません。病院においては、200床以上の病院に所属するリハビリ専門職は連携対象外となります(令和3年度介護報酬改定Q&A参照)。

制度上の要件を整理すると、以下のとおりです。

参照:令和3年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)、厚生労働省「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」

「知り合いのフリーランス理学療法士に頼めばいい」という発想は制度上成立しません。この点は事前に必ず確認が必要です。

制度上適格でも、質にばらつきが出る理由

連携先として制度上認められる機関であっても、実務上は質のばらつきが生じます。主な要因は以下の3つです。

1

介護現場への理解度の差

病院臨床が中心のリハビリ専門職は、介護施設の文化・業務フロー・介護保険制度に不慣れなことが多いと言われています。医療的なリハビリテーションと、介護施設における機能訓練・生活支援は、求められるアプローチが異なります。

2

書類作成・運用支援への対応範囲

生活機能向上連携加算の算定には、計画書の共同作成・記録の整備・定期的な評価といった書類業務が伴います。「訪問して評価するだけ」の連携では、書類業務の負担が施設側に集中しやすくなります。

3

訪問頻度と継続性

個別契約の場合、担当者が変わるリスクや、訪問頻度が保証されない場合があります。加算の算定には3ヶ月に1回以上の訪問評価が要件となるため、継続性の確保が重要です。

各選択肢の比較

制度要件を満たしたうえで、実務上の選択肢を4つに整理します。

比較項目 常勤PT雇用 非常勤PT 個別契約 PTmate
月額コスト目安 約30万円〜 約3万円〜 要相談 月5万円〜
加算算定対応
内部雇用のため不可

内部雇用のため不可

要件整備が別途必要
書類・運用サポート
訪問頻度の保証
オンライン継続支援

💡 重要な補足:常勤・非常勤の「内部雇用」は、加算算定の要件である「外部」との連携には該当しません。生活機能向上連携加算の算定を目的とする場合、雇用関係のない外部機関との連携が前提となります。

各選択肢の詳細と向き不向き

向き不向きあり

① 常勤PT・OT雇用

自施設でリハビリ専門職を雇用する方法です。日常的な機能訓練・ケアへの関与が最も深くなる反面、コストが最も高くなります。また、雇用関係があるため生活機能向上連携加算Ⅱの「外部連携」要件は満たせません。

✔ 向いているケース
  • 規模が大きく専従が必要な施設
  • 加算算定以外の目的がある
✗ 注意点
  • 生活機能向上連携加算Ⅱの算定に使えない
  • 採用・育成コストが高い
向き不向きあり

② 非常勤PT・OT雇用

週1〜2回程度の非常勤で雇用する方法です。常勤より低コストですが、雇用関係である以上、加算の「外部連携」要件は同様に満たせません。個別機能訓練加算の算定には活用できます。

✔ 向いているケース
  • 個別機能訓練加算の質向上が目的
  • 常勤雇用の前段として試用したい
✗ 注意点
  • 生活機能向上連携加算Ⅱは算定不可
  • 訪問がない日のケア継続支援がない
条件次第

③ 外部リハビリ専門職との個別契約

医療機関に所属するリハビリ専門職と個別に業務委託契約を結ぶ方法です。制度上の要件は満たしうる一方、書類整備・算定要件の確認・継続的な運用支援は施設側で対応する必要があります。連携先の介護現場への理解度や対応範囲を事前に確認することが重要です。

✔ 向いているケース
  • 信頼できる連携先がすでにある
  • 書類対応を自施設でこなせる体制がある
✗ 注意点
  • 算定要件の整備は自力で行う必要がある
  • フリーランスは制度上対象外
仕組みごと支援

④ PTmate

生活機能向上連携加算Ⅱの算定を前提に設計された事業所支援サービスです。リハビリ専門職による定期訪問・オンライン継続支援・書類作成支援・算定要件の整備まで、運用の仕組みごとサポートします。

100件以上の導入実績・継続率100%(2026年2月時点)。250事業所以上の支援実績をもとに開発したアルゴリズムを活用した専用システムにより、計画書作成から実施記録まで現場負担を軽減します。

✔ 向いているケース
  • 加算取得と現場への定着を同時に進めたい
  • 書類対応・運用フロー整備まで任せたい
  • 訪問がない月もサポートを継続したい
✗ 注意点
  • 初期導入費(初月のみ)が発生する
  • 施設規模によって月額費用が異なる

選び方の3つの軸

どの選択肢が適切かは、施設の状況によって異なります。以下の3軸で整理すると判断しやすくなります。

1

目的:加算算定 or ケア質向上 or 両方

生活機能向上連携加算Ⅱの算定が目的なら、外部連携が前提になります。加算算定を必要とせずケアの質向上だけが目的であれば、雇用も選択肢に入ります。

2

体制:書類・運用対応を自施設でこなせるか

算定要件の整備・計画書の共同作成・記録管理など、一定の事務対応が必要です。自施設でこなせる人員・体制があるかどうかで、個別契約が現実的かどうかが変わります。

3

コスト:加算収益との費用対効果

加算収益(算定者数×単位数×地域単価)と連携コストのバランスを試算します。PTmateの場合、月額費用が加算収益の範囲内に収まる設計になっています。

「連携先さえ見つければいい」という発想では、算定要件の整備不備や現場への定着失敗につながりやすいと言われています。連携の質・継続性・運用サポートの有無まで含めて選定することが、長期的な加算算定の安定につながります。

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お問い合わせ
参照資料(厚生労働省公表資料のみ)
・令和3年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1・Vol.4)
・厚生労働省「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」(平成11年厚生省令第37号)
・厚生労働省「令和3年度介護報酬改定における各サービス毎の改定事項について」